「新しいアイデアが思い浮かばない…」
「生成AIを使えば、斬新なアイデアを出せるのでは……!」
「でも、どう指示すればいいのだろう?」
ビジネスの現場では、企画の立案や問題解決方法の模索など、新しいアイデアを考えることが多くあります。私生活でも、アイデアが求められる場面に出くわすことはあるでしょう。
特にひとりで考え続けていると、似たような思考から抜け出せないことがあります。しかし、AIを活用することでひとりでは思い浮かばないようなアイデアを、短時間で多角的な視点から出してくれます。
本記事では、AIを活用したアイデア出しについて以下の内容を解説します。
- AIでアイデア出しをするメリット
- アイデア出しに活用できるプロンプト
- AIを活用してアイデア出す際の注意点
コピペするだけで使えるプロンプトも、併せて紹介しています。AIを使ってアイデア出しを効率化させるために、ぜひ最後までお読みください。

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AIでアイデア出しをするメリット

生成AIを活用してアイデア出しを行うメリットは、以下の3つです。
- 作業の効率が上がる
- 多様な視点から考えられる
- 人員を増やさなくて済む
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 作業の効率が上がる
アイデア出しにAIを活用することで、作業全体を効率化できます。人間がゼロからアイデアを考える場合、発案まで多くの時間が必要です。
しかし、生成AIは膨大な学習データの中からアイデアを考えてくれるので、斬新な切り口や組み合わせを提案してくれることもあります。出力された案をたたき台としてアレンジを加えることで、斬新なアイデアができ上がることも期待できます。
人間の思考だけではゼロからアイデアを生み出すのは時間がかかることを考えると、AIにより大幅に短縮できるでしょう。
2. 多様な視点から考えられる
これまでの自分の思考の癖やアイデアに囚われない視点で物事を考えられることも、AIでアイデア出しをするメリットのひとつです。
人間の考え方は過去の経験や知識に影響されやすく、気づかないうちに似たような発想に偏る傾向があります。生成AIを使えば、学習した膨大なデータの中から主観に囚われない多角的な意見を出してくれるため、アイデアや思考の偏りの減少が期待できます。
自分では思いつかない視点が入るため、斬新なアイデアを発見できるかもしれません。しかし、AIが出力するアイデアはこれまでの学習データに基づいているため、新しい発想を生み出す力に限界があることは理解しておきましょう。
3. 人員を増やさなくて済む
AIを活用すれば、アイデア出しのために人員を増やす必要がなくなります。
多くのアイデアを出す主な方法として、複数人で時間をかけて考えを捻り出すことが挙げられるでしょう。しかし、必要なときに協力者を募れるとは限らないことに加え、人間の思考力や集中力には限界があります。
しかし、AIは人間と違って疲労や集中力の低下がないため、時間に関係なくアイデアを生成し続けてくれます。数分もあれば、一人で考える場合の数倍ものアイデアを出してくれるでしょう。
実際に、複数人でアイデアを出した場合と生成AIツールを活用した場合で、比較してみました。
従来の方法 | 生成AIの活用 | |
---|---|---|
手法 | 複数人でブレストを繰り返す | プロンプトを投げ、大量の案を出力 |
費用 | 人数および所要時間に応じた人件費が発生する | 生成AIツールの利用料および操作する人の人件費のみ |
特徴 | 人の集中力・発想にムラが出る | 24時間同質のアウトプットが可能 |
AIに多くのアイデアを出してもらうことで自分で考える時間を減らし、最適な案を選ぶことに注力できます。
【コピペで使える】アイデア出しのためのプロンプト7選

アイデア出しに生成AIがうってつけと言っても、どのように活用すればよいのか分からない人も多いでしょう。ここでは、アイデア出しにコピペで使えるプロンプトを場面ごとに7つ紹介します。
- 言葉の言い換え
- バナーデザイン
- 料理の献立
- 新規事業の案
- Webサイトのレイアウト
- 課題解決
- 既存アイデアのブラッシュアップ
プロンプトを参考に、AIをアイデア出しに活用してみてください。
1. 言葉の言い換え
AIは「言葉の言い換え」に非常に役立ちます。
ブログ記事の執筆や社内資料の作成中などで、言葉の言い回しで腑に落ちないことがあるかもしれません。特に、馴染みのない分野では、適切な表現を見つけるのに苦労することが多いでしょう。
別の言葉で言い換える際のアイデア出しに、AIを活用することで効率的に文章を生成できます。同じ意味を保ったまま別の言葉に言い換える際のプロンプトの例は以下のとおりです。
以下の日本語の意味を変えず、別の言葉で言い換えたものを10個作ってください
~(言い換えたい言葉を入力)~
今回は具体例として「しっくりこない」の単語を、別の言葉で言い換えたものをChatGPTに生成してもらいます。結果は以下のとおりです。

同じ意味でも異なるニュアンスの言葉を提案してくれるため、1人では考えつかなかったような言い回しを得られるでしょう。言葉の言い換えにAIを活用することで、文章表現力を向上できます。
2. バナーデザイン
企業が新しい広告を出稿する際のバナーデザインは、配色やフォントなど、考えることが多いです。「何から手をつければいいのか分からない」と考え込んだ場合でも、AIが適切なフォントや配置などのレイアウトを提案してくれます。
プロンプトの例は、以下のとおりです。
あなたは企業のデザイナーです。
以下の情報に基づいて、最高のバナーデザインを提案を作成してください:
掲載メディア/場所:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
主要ターゲット:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
必要なサイズ/形式:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
掲載環境の特性:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
今回はECサイトのトップページに掲載予定のバナーのデザインを考えてもらいます。結果は以下のとおりです。




AIが出力した案に手を加えることで、よりターゲットに届きやすいバナーデザインになるかもしれません。
3. 料理の献立
家事や仕事が忙しいために、毎日の食事の献立が同じになる人は、生成AIツールにアイデアを出してもらうと良いでしょう。持っている食材やアレルギー情報をAIに入力すると、栄養バランスを考えた献立を作成してくれます。
プロンプトの例は以下のとおりです。
#お願い
夕食の献立と調理手順を考えてください
##情報
・人数:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
・食事制限:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
##ルール
・XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
##冷蔵庫の中にあるもの
・XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
・XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
・XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
今回は一人暮らしで夕食の献立を考えてもらいます。出力結果は、以下のとおりです。



調理手順も細かく出力してくれるので、新しい献立を考える際にとても役立つでしょう。
4. 新規事業の案
新規事業のアイデアを提案してもらうには、自社の強みや予算など、会社のリソースを細かく記載しましょう。プロンプトの例は以下のとおりです。
#お願い
プロの新規事業開発の担当者です。
以下の条件を守って、独創的で、これまでにない斬新な新規事業のアイデアを出してください。
##情報
・ターゲット:XXXXXXXXXXX
・満たしたいニーズ:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
・あて たられる予算:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
・サービス設計:XXXXXXXXXXXXXXXXX
・自社の強み:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
今回は副業に観点した事業の提案を行ってもらいます。結果は以下のとおりです。



AIが出してくれた案をたたき台にして考え直すことで、画期的な事業のヒントを得られるでしょう。
5. Webサイトのレイアウト
サイト作成の際には考えることは多いです。Webサイトのレイアウト設計で生成AIが担える部分は、以下のとおりです。
- ワイヤーフレーム
- CTA配置
- 配色・フォント
- PC・スマホの最適化
- HTMLおよびCSSのコード生成
- ABテスト案 など
サイトのレイアウトに応じて成果が大きく変わってくるため、設計の段階で念入りに考えることが重要です。AIにたたき台を出してもらうことで、サイトデザインの方向性を定めることを効率化できます。
プロンプトの例は以下のとおりです。
プロのWebデザイナーになりきってください。
以下の情報に基づいて、ウェブサイトのレイアウトアイデアを提案してください
【概要】
サイトの目的:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
業種:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
ターゲット層:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
サイトに求める印象:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
【クライアント情報】
競合との差別化ポイント:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
大切にしている価値観:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
サービスや製品の特徴:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
今回は副業を始めたい人に向けたサイトデザインを提案してもらいます。結果は以下のとおりです。




ゼロからレイアウトを考えるよりも、大幅な効率化が期待できるでしょう。
6. 課題解決
AIは課題の本質をとらえた解決策を素早く出してくれます。従来であれば、課題を解決する際には以下の手順で進めます。
- 原因の仮説を提示
- 仮説に応じた解決シナリオを立案する
- 優先度を付けて実行
しかし、実際の現場では立てた仮説がそもそも間違っているケースは珍しくありません。また、立案した解決シナリオに対して優先度が付けられない場合もあり、結果的に解決までに時間を要してしまいます。
課題解決にAIを活用することで的確な仮説を提示してくれるうえに、実行すべき解決案の優先順位を付けてくれます。また、今までにない視点の改善策が提案されていることがあります。
プロンプトの例は以下のとおりです。
課題解決のプロになりきってください
以下の問題について、具体的な解決策を提案してください
問題の状況:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
影響範囲:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
これまでの対応:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
対応後の状況:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
制約条件:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
以下の観点から解決策を提示してください:
XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
今回はパートナーが家事を手伝ってくれない悩みについてAIに対策を考えてもらいます。結果は以下のとおりです。




AIの膨大なデータから出される提案は、ひとりでは考えつかなかった改善策を出してくれるでしょう。
7. 既存アイデアのブラッシュアップ
既存のアイデアをよりよくするためにも、AIは活用できます。
1人で考えていると、考え方が偏ってしまい、アイデアの弱点や改善点を見逃しやすいです。AIは膨大な学習データをもとに、客観的に考えてくれるため、経験や思い込みに縛られないアイデアを得られます。
プロンプトの例は以下のとおりです。
以下に記載する内容は現在起きている問題の詳細と改善策です。
現状の改善策のブラッシュアップ案を10個提案してください
#現状の問題
問題の状況:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
影響範囲:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
これまでの対応:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
対応後の状況:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
制約条件:XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
#改善策
XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXXX
今回は新人の離職に関する改善案のブラッシュアップを行ってもらいます。結果は以下のとおりです。



実際の現場では、問題は個別に異なるため、生成AIが出したアイデアをブラッシュアップして使うことになります。自分たちでゼロから出す場合よりも、より効果的な案を導き出せるでしょう。
AIを活用してアイデア出す際の注意点

ここでは、AIを活用してアイデア出しを行う際の注意点を解説します。
- AIの限界を理解する
- 機密情報の入力は控える
- 人間の判断を大切にする
理解したうえで、AIを活用することが大切です。
1. AIの限界を理解する
AIの限界を正しく理解して、適切に活用しましょう。
AIが提案するアイデアは、過去のデータに基づいて出力されるため、新しい発想を生み出すには限界があります。独創的なアイデアを生み出すには、AIの出力を参考にしつつ、人の経験や直感を参考に調整を加えることが欠かせません。
AIに提案してもらったアイデアをそのまま使うだけでは、どこかで見たことがあるような内容になりやすいです。AIに頼りきるのではなく、その人ならではの独自の視点を組み合わせることで、斬新なアイデアを生み出せるでしょう。
AIはあくまでもアイデア出しの補助役に留め、最終的な仕上げは人間が行うことが必須であることは、覚えておいてください。
2. 機密情報の入力は控える
AIをアイデア出しに活用する際は、機密情報をそのまま入力しないように注意が必要です。
AIに送信したデータは、学習データとして活用される可能性があります。会社の機密情報や個人情報などをプロンプトに含めると、学習データとして活用されて情報漏洩につながるかもしれません。
入力してはいけない情報の例として、顧客の氏名や住所などが挙げられます。
外部に漏れてしまうと、大きなトラブルにつながりかねません。機密性の高い情報を入力する際はダミーのデータに置き換え、具体的な顧客名や内容は伏せるようにしましょう。
安全にAIを活用するためにも、プロンプトに機密情報を含まれていないことを確認するようにしてください。
3. 人間の判断を大切にする
AIのアイデアを参考にする際も、最後は必ず自分の頭で考えて判断することが大切です。
AIは膨大なデータに基づいてアイデアを出してくれますが、人ならではの想像力までは代替できません。生成されたアイデアがニーズに合っているかを判別するには、人の判断が必要です。
例えば、AIに「20代女性向けの新しいサービスを10個提案して」と頼んだとしても、ターゲットが抱える具体的な悩みや感情的な背景まで理解した案が出てくるとは限りません。
AIに頼りきるのではなく、自分でも悩みや背景にある感情を考えて、一緒に良いものを作り上げる姿勢を持つようにしましょう。
新しいアイデアを考えたいときはAIを活用しよう

アイデア出しにAIを活用することで、自分だけでは思い浮かばない視点から案を考えてくれます。新規事業の構想から料理の献立のアイデア出しなど、実用的な案を短時間で考えてくれるため、AIを積極的に活用してみてください。
しかし、AIはあくまでアイデア出しを補助してくれるツールのひとつです。AIから出力された案を鵜呑みにせず、人間の判断力や創造性を組み合わせることで、より良いアイデアが生まれるでしょう。
なお、本記事の中で紹介した方法以外にも、AIを活用してアイデアを考える方法は存在します。例えば、他の人がどのようにアイデア出しに使っているのか聞いてみることが挙げられます。
AIスクールの「AI ONE」では、毎日多くの生徒がたくさんの活用事例がシェアしているため、新しい使い方を学べるでしょう。AI ONEではノウハウを学べるだけでなく、生徒同士で交流して情報交換できることが大きな特徴です。「新しいAIの活用方法を知りたい」とお考えの方は、ぜひAI ONEの受講をご検討ください。
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