「SNS運用にAIを取り入れると良いって聞くけど、実際にどんなことができるのかわからない…」
「SNS運用におすすめのAIツールは?」
「最小限のコストやリソースでSNS運用したい」
SNS運用にAIを活用する人が増える一方で、本当に有効かつ安全に活用できるのか、疑問や不安を抱えている人も少なくありません。
SNS領域でもAIは急速に進化しており、投稿文の自動生成や画像作成、コメント返信、分析レポート作成など、さまざまな作業をサポートしてくれます。
本記事では、AIを活用できるSNS運用の業務を解説します。作業ごとにおすすめのAIツールも紹介しているため、本記事を参考にSNS運用に取り組んでみてください!
- SNS運用にAIを取り入れるメリット
- SNS運用でAIを活用できる作業
- SNS運用でAIを活用する際のポイント
- SNS運用に使えるおすすめのAIツール

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SNS運用にAIを取り入れるメリット4つ

近年、SNS運用におけるAI活用が急速に進んでいます。ここでは、SNS運用にAIを導入することで得られる主なメリットを4つ紹介します。
- 作業コストを削減できる
- ネタ切れを起こしにくくなる
- 効果測定と改善提案を高速化できる
- 投稿の一貫性やクオリティを保ちやすくなる
ひとつずつ見ていきましょう。
1.作業コストを削減できる
AI活用の最大のメリットは、SNS運用の作業コストを大幅に削減できることです。実際に、1日数時間かかっていた作業を30分程度に短縮できることもあります。
SNS運用の時間を短縮できれば、その分だけコア業務に費やせるようになり、生産性の向上も期待できます。加えて、制作を外注している場合はAIで作業を内製化することで外注費のカットも実現でき、利益率の向上にもつながるでしょう。
2.ネタ切れを起こしにくくなる
SNS運用における重要な課題のひとつが「継続的なコンテンツ創出」です。AIは膨大なデータベースから関連性の高いトピックを瞬時に抽出し、業界トレンドや季節性を考慮した投稿アイデアを大量に生成できます。
ターゲットやメインテーマ、訴求したい情報などを入力すれば、条件に適合する投稿テーマを多数提案してくれます。
さらに、過去の投稿データをCSVで抽出しAIに読み込ませることで、それらを分析してエンゲージメントが高かったコンテンツの傾向を学習してくれます。これにより、成果の出やすいアイデアを効率よく、継続的に提供できるようになるでしょう。
3.効果測定と改善提案を高速化できる
AIによるデータ分析により、従来は手動で行っていた効果測定を自動化し、リアルタイムで改善提案を受けられます。投稿時間やハッシュタグ、コンテンツタイプ別のエンゲージメント率などを即座に分析し、最適化のポイントを明確に示してくれます。
数値分析が苦手な人や指標の見方がわからない人にとって、AIが強い味方となるでしょう。また、競合他社の投稿傾向や業界全体のトレンドも同時に分析することで、より戦略的なSNS運用が可能になります。
4.投稿の一貫性やクオリティを保ちやすくなる
ブランドイメージの統一は、SNS運用において重要な要素です。AIツールを活用する過程で、ブランドの世界観やトーンを学習させることで、一貫性のあるコンテンツを継続的に生成できるようになります。
そのため、AIを使う中で意識的にブランドガイドラインやこれまでの投稿データを学習させることが重要です。そうすることで、文章の文体や使用する語彙、画像の色調まで統一された投稿を作成しやすくなるでしょう。
これらを実行することで、複数人でSNS運用を行う場合でも、投稿の質を均一化できるようになります。
SNS運用でAIを活用できる作業

SNS運用において、AIが活躍する場面は多岐にわたります。SNS運用でAIを活用できる作業領域を、5つに分けて紹介します。
- 投稿ネタやアイデア出し
- 投稿文章の作成
- 画像や動画の作成
- 投稿スケジュールの作成
- エンゲージメント分析
どの作業をAIに任せられるのか、自身のSNS運用に照らし合わせながらチェックしてみてください。
1.投稿ネタやアイデア出し
SNS運用で頭を悩ませやすいのが、日々の投稿ネタ探しではないでしょうか。ネタ切れは運用のモチベーション低下にもつながるため、継続的にアイデアを生み出す仕組みが重要です。
AIを活用すれば業界トレンドや季節行事、ユーザーの関心テーマなどをもとに、投稿のネタを次々と提案してくれます。
例えば、20代女性向けの美容アカウントでサマーシーズン用の投稿テーマ案を作成したい場合は、条件を入力するだけで多数の案が出力されます。
さらに、AIに過去の投稿やエンゲージメントデータを学習させることで、「反応の良かったトピック」や「曜日別の効果的なテーマ」など、より戦略的なアイデア出しも可能になります。
企画会議のたたき台としても有効なので、1人運用でも複数人チームでも、アイデア創出のスピードと質を上げたい人におすすめです。
2.投稿文章の作成
SNSの投稿文作成は、時間を要する作業のひとつです。伝えたい情報を短くかつ魅力的にまとめるには、ライティングスキルだけでなく、ユーザー心理やトレンドの理解も必要です。
AIを活用すれば、簡単なプロンプト入力で複数の投稿案を一括生成できるため、どんな文章を作成すべきかと悩む時間を大幅に削減できます。
例えば、20代女性向けに就職をテーマにした投稿をしたい場合、以下のようにターゲットやどんな文章を作成したいかを簡単に入力します。
簡単な指示だけでターゲットに刺さりそうな文章が出るため、この文章をイメージに合わせて調整するだけで投稿できるようになります。文体や語彙のトーンも「カジュアル」「真面目」「ユーモラス」など指定できるため、ブランドの雰囲気に合った投稿文を作るのも良いでしょう。
3.画像や動画の作成
画像や動画をSNSに組み込む場合は、ファイルの生成に対応したAIツールを活用することになります。
SNSでは、テキストよりも視覚的なコンテンツのほうがエンゲージメントを得やすい傾向があります。とはいえ、毎回デザインの企画構成を考えたりコンテンツを作成したりするのは、時間もコストもかかる作業です。
そんなときに役立つのが、画像・動画生成に対応したAIツールです。
テキストから画像を自動生成する「生成AI」では、具体的なキーワードを入力するだけでSNS映えするビジュアルを作成できます。
例えば、ChatGPTで「春らしいカフェの風景」と入力したところ、レトロな雰囲気のカフェの画像が生成されました。

もし、イメージしていた画像がモダンな雰囲気の場合や、喫茶店のような雰囲気の場合は、そういった希望のイメージを追加でAIに入力していきます。AIとの会話を繰り返すことで、イメージに近い画像が生成されやすくなるでしょう。
今回は画像生成の実例を紹介しましたが、動画の作成も同様の方法で行えば理想に近いコンテンツを生成してくれます。
画像や動画の作成にAIを活用することで、投稿のクオリティを維持しつつ、制作時間を大幅に削減できます。
4.投稿スケジュールの作成
SNS運用では、どのタイミングで何を投稿するかという「スケジューリング」が重要です。
しかし、実際にはネタの整理や曜日・時間帯の選定、季節イベントとの連動など考えるべきことが多く、手作業で行うと手間がかかります。そこで、AIを活用すれば最適な投稿スケジュールを自動で提案してくれます。
AIに出してもらった投稿アイデアをそのまま「どの順番・タイミングで投稿すべきか」まで同じチャット内で聞くことで、一連のスケジューリング作業を一気に効率化が可能です。
たとえば、以下のようにターゲットやテーマ、投稿頻度を入力すると、投稿アイデアとスケジュールカレンダーを同時に提案してくれます。
1か月間のSNS投稿カレンダーを作成してください。週4回の投稿頻度で、具体的な投稿アイデアもあわせて提案してください。
詳細な情報は以下です。
- ターゲット:30代のビジネスパーソン
- テーマ:転職(夏と絡めたテーマにしたい)
また、SNS運用に特化したAIツールの中には、AIで作成した投稿をそのまま予約投稿できる機能を備えたものもあり、企画から配信までを一貫して自動化できます。
5.エンゲージメント分析
SNS運用において、投稿後のインプレッション数やリーチ、フォロワー数の増減といった「エンゲージメント分析」は、成果を上げるために欠かせないプロセスです。エンゲージメント分析も、AIを活用することで大幅に効率化が可能です。
SNS専用のAIツールであれば各投稿の反応をリアルタイムで追跡し、インプレッションやクリック率、保存数などを自動で可視化できるものもあります。アカウント全体の成長推移を定量的に把握できるため、どの投稿がどれだけ貢献したのかを一目で把握できます。
一方で、SNS専用ではない汎用型のChatGPTやGeminiなどのAIツールでも、エンゲージメント分析は可能です。
例えば、各投稿の数値データをCSV形式で整理し、AIに読み込ませることでパフォーマンスの傾向をサマリー化したり、改善施策を提案してくれたりします。
実際に、エンゲージメント分析を行ってみました。まずは、以下のように1ヶ月分のデータをスプレッドシートに記入し、そのデータをAIに読み込ませます。
そのうえで「運用しているXアカウントの効果測定をしたいです。このデータから見えてくる傾向や改善施策などをまとめてください。」というプロンプトを入力すると、次のような分析レポートを生成してくれました。
このように、ツールの種類を問わずAIを使うことでデータ分析のハードルを下げられ、PDCAを回しやすくなるでしょう。
SNS運用でAIを活用する際のポイント

AIは非常に便利なツールですが、使い方を誤ると思わぬリスクにつながることもあります。
- 必ずファクトチェックする
- 機密情報や個人情報はAIに入力しない
- 一部業務から段階的に導入する
ここでは、SNS運用でAIを活用する際に押さえるべき基本的なポイントを紹介します。
必ずファクトチェックする
AIは情報生成のスピードと量に優れている一方で、事実関係に誤りが含まれることもあります。特にデータやニュース、業界動向など正確性が求められる情報を扱う場合は、必ずファクトチェックを行いましょう。
また、製品やサービスを紹介する投稿の場合、スペックや価格情報が間違っているとユーザーからのクレームや誤解を招くリスクもあります。
ファクトチェックの方法は、自身でしっかりと内容を確認・校正することが基本です。
参考までに、AI自体をファクトチェックツールとして活用する方法もあります。例えば「Perplexity」のような検索機能に強みを持つAIツールを使用することで、効率的に情報の正確性を検証できます。ただし、AIツールでファクトチェックをする場合も参照元を自身で閲覧し、事実誤認がないことを確認することが大切です。
AIが出力したテキストはそのまま使わず、自身でしっかりと内容を確認・校正したうえで活用することを徹底しましょう。
機密情報や個人情報はAIに入力しない
AIツールに顧客情報や未公開のプロジェクト情報、社内資料の一部などを入力するのは避けてください。多くのAIツールはクラウド上で動作しており、入力された情報が今後のAI学習に使われる形で情報漏洩につながるリスクがあります。
例えば、企業の担当者が未公開のキャンペーン内容をAIに入力したとします。その情報がAIに学習され、別の利用者の回答に含まれて漏洩するといったことが起こりかねません。
AIを使う際は匿名化・一般化したプロンプトを活用し「誰が見ても差し支えのない内容」のみを入力するようにしましょう。
一部業務から段階的に導入する
AIの活用は一気にすべての業務に取り入れるのではなく、まずは簡易化しやすいタスクから段階的に導入していくのが理想です。例えば、最初は「投稿ネタ出し」の補助としてAIを使い、慣れてきたら「文章作成」や「エンゲージメント分析」などに広げていくイメージです。
すべての業務を一気にAI化しようとするとハードルが高く感じられ、いつまで経っても手が付けられない可能性もあります。
小さな作業で使い方や効果を確認しながら、必要に応じて活用範囲を広げていくことで、業務フローの混乱やトラブルを避けられます。また、スムーズに運用するために「どこまでをAIに任せるか」「どこを人の目で確認するか」という役割分担もあらかじめ決めておきましょう。
SNS運用に使えるAIツール【目的別】

AIツールには、どの分野にも使用しやすい汎用的なツールや、特定の分野に強い特化型のツールなどさまざまなものがあります。ここでは、SNS運用でおすすめのAIツールを目的別に紹介します。
- 文章生成
- 画像生成
- 動画制作
ひとつずつ見ていきましょう。
文章生成
SNS投稿でもっとも重要な要素のひとつが「文章」です。X(旧Twitter)やnoteはもちろん、Instagramのような画像・ショート動画がメインのSNSでも、文章の投稿は避けて通れません。
SNSの文章生成では、伝えたいメッセージを簡潔かつ魅力的に表現するスキルは運用の鍵となります。文章生成でおすすめのAIツールは、以下のとおりです。
- ChatGPT
- Claude
- Grok
- Gemini
ChatGPT・Claude・Geminiは文章生成に強みを持つ汎用的な生成AIツールで、SNS運用以外の場面でも活用できます。GrokはXに搭載されており、リアルタイムの話題や情報を取り込んだ投稿作成が可能なツールです。
運用するSNSに合わせて、適切なAIツールを活用しましょう。
画像生成
SNSでは視覚的なインパクトが非常に重要です。画像生成AIは、プロのデザイナーがいなくても簡単にオリジナルの画像やバナー、アイキャッチを作成できます。
画像生成におすすめのツールは、以下のとおりです。
- Canva
- Gemini
- Midjourney
- ChatGPT
Canvaはテンプレートが豊富で初心者にも使いやすく、テキストからの画像生成も可能です。SNS投稿用に最適化されたフォーマットが揃っているため、初心者の方も使用しやすいツールと言えます。
Geminiは、Googleの生成AIで、テキストと画像を組み合わせて投稿素材を作成できるのが特徴です。また、Midjourneyは、芸術性の高いビジュアル画像を生成できる点が魅力で、独自の世界観を表現したいSNS投稿やバナー作成に適しています。
AI画像生成はSNSのビジュアル表現を強化し、ユーザーの目を引くコンテンツ制作をサポートしてくれるでしょう。
画像生成AIを使用する際は「初心者でも簡単!画像生成AIのプロンプト作成コツ8選と具体例」の記事を参考にしながら、プロンプトを入力してみてください。

動画制作
AIを活用した動画制作ツールは撮影の手間を省き、テンプレートや自動編集機能を使って短時間でクオリティの高い動画が作れます。動画制作におすすめしたいAIツールは、以下のとおりです。
- Runway Gen-2
- FlexClip
- CapCut
- Magic Animate
Runway Gen-2は、テキストや静止画から動画を生成でき、動画内の動きを細かく調整できるため、InstagramやTikTokのリール作成に最適です。FlexClipは、6,000以上のテンプレートを使い、編集から動画生成までスムーズに行えます。
CapCutはスマホとパソコンの両方で使いやすく、背景画像の生成や編集も可能です。移動時間やスキマ時間など、スマホ作業が多い方にはおすすめのツールと言えます。
また、Magic Animateは、静止画像に動きを加えることで、目を引く投稿を簡単に作成できるツールです。
このように動画制作にAIを活用すれば、これまで時間とコストがかかっていた動画コンテンツの量産が現実的になり、SNS運用の幅を広げられるでしょう。
AIを使ってSNS運用をもっと効率的・戦略的に!

AIを活用したSNS運用は、作業の効率化だけでなく、コンテンツの質や戦略性を高めるうえでも有効な手段です。SNS運用に関する以下の幅広い作業をサポートしてくれるため、担当者の負担を軽減しながら成果の最大化が期待できます。
- 投稿ネタの発想
- 文章作成
- 画像・動画生成
- スケジューリング
- 効果測定 など
AIは、専門知識がなくても気軽に使えるツールです。完璧に理解していなくても十分な成果を出せますし、基本的な仕組みやプロンプトのコツを少し知っておくだけで、効果的に使いこなせるようになります。
まずは身近な場面から使ってみることが、AI活用を成功させる第一歩といっても過言ではありません。
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