「ChatGPTとGeminiはどちらが優れているの?」
「仕事で使うならどちらがいいんだろう?」
「同じプロンプトを読み込ませても出力結果の差は大きいの?」
ChatGPTとGeminiにはそれぞれ特徴があり、得意なことや機能に違いがあります。どちらも利用者の多いの生成AIツールですが、使いどころを誤ると作業が思うほど効率化できないかもしれません。
ChatGPTとGeminiそれぞれの強みや特徴を知り、用途に応じて適切に使い分けることが重要です。
本記事では、ChatGPTとGeminiの比較するにあたり、以下の内容を解説します。
- ChatGPTとGeminiの活用事例の比較
- 無料版と有料版の性能の比較
- ChatGPTをおすすめできる人
- Geminiをおすすめできる人
文章生成や検索機能など、実際に同じプロンプトを読み込ませて違いを比較しています。さらに、無料版と有料版の違いも解説しているので、ChatGPTとGeminiの違いが気になっている人は、ぜひ最後までお読みください。

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ChatGPTとGeminiの早見表

まずはChatGPTとGeminiの基本情報やスペックなどの違いを見ていきます。
ChatGPT | Gemini | |
---|---|---|
開発会社 | OpenAI | |
有料サービス | ChatGPT Plus/Pro/Team | Gemini Advanced |
有料サービス月額料金 | Plus:20ドル(2,900円相当) Pro:200ドル(29,000円相当) Team:25ドル(3,625円相当) | 2,900円 |
最大コンテキスト長 | 128,000トークン | 2,000,000トークン |
画像生成 | 対応 | 対応 |
最新情報のソース | 2024年6月 | 非公開 |
無料版の制限 | ・GPT-4oの使用回数制限(5時間あたり10回まで) ・画像生成は1日3枚まで | ・各Googleサービスとの連携の対応範囲 ・PDF、CSVファイルの読み込み時 ファイルのサイズや処理できる情報量に制限あり ・画像生成は人物画像に制限あり |
ChatGPTは、画像生成や拡張機能のGPTsが充実しており、クリエイティブな作業の効率化に役立ちます。テキストだけでなく音声や動画などの処理が可能で、さまざまなコンテンツを扱えることが特徴です。
また、有料版では個人向けと複数ユーザーのプランで分かれています。利用人数や環境によって適切なプランを選べるため、ビジネス用途でも使いやすいでしょう。
一方のGeminiは、最大200万トークンのコンテキストウィンドウを持つバージョンがあるため、ChatGPTよりも長いテキストの処理が可能です。さらに、Googleが運営している強みを生かしてGmailやGoogleドキュメントなど他サービスとの連携が行えます。Googleのサービスを利用する機会が多い人であれば、Geminiと連携させることであらゆる場面で業務の効率化が図れるでしょう。
【実例】ChatGPTとGeminiの活用事例の比較

ここでは、実際にChatGPTとGeminiを使用して、出力した結果を比較していきます。なお、特筆されていない限り、比較は無料版同士で行うことを前提とします。
- ChatGPT⇒4o
- Gemini⇒2.5 Flash
比較した活用事例は、以下のとおりです。
- 文章生成
- 画像生成
- プログラミングコードの生成
- 画像認識機能
- 検索機能
それぞれの出力結果の違いを見ていきましょう。
1.文章生成
まずは、ChatGPTとGeminiの文章生成機能を比較します。例題として、以下のプロンプトでChatGPTとGemini両方にブログ記事を執筆してもらいます。
#概要
プロのSEOライターになりきってください。
以下のキーワードと構成案(タイトルと見出し)に沿って、本文を執筆してください。
#キーワード
文章生成 AI
#構成案
h2:AI文章生成が注目されている理由
h2:文章作成におすすめの生成AIツール3選
h3:ChatGPT
h3:Gemini
h3:Claud
h2:文章作成にAIを使用する際の3つのポイント
h3:プロンプトは詳細に記載する
h3:複数のツールを使い分ける
h3:複数の結果を比較する
h2:文章作成に生成AIを使う際の3つの注意事項
h3:生成AIは誤った情報を提供するおそれがある
h3:機密データが漏えいするリスクがある
h3:著作権を侵害する危険性がある
#共有事項
#ユーザーが入力したキーワードのニーズに回答するための記事を作成します。
#各h2の総文字数は日本語で1,000〜2,000、各h3、h4は300〜400文字以上で出力してください。
#高校生も理解できるレベルで書いてください。
#ですます調で書いてください。
#基本的には文章で書いてください。箇条書きはなるべく書かないでください




生成された文章の質はどちらも優秀ですが、ブログの執筆に適しているのは、長文がしっかり記述されているGeminiと言えるでしょう。
最初の見出しで比較した際に、ChatGPTは構成が整理されており、3つの項目に分けて記載されています。また、ひとつずつの段落の文章全体のトーンも揃っているため、全体を通して読みやすいです。
Gemini側では4つの理由を述べていますが、話の切れ目では「さらに」や「加えて」などの接続語が使われています。
一目では切り替わりのタイミングがわかりにくく、次の話題に移っていることに気づきにくいかもしれません。
しかし、全体的に見たときにGeminiのほうが長文で出力されています。長めに書かれた文章を削るほうが調整しやすいため、ブログ執筆にはGeminiが向いていると言えるでしょう。
2.画像生成
次は、画像生成機能を比較していきます。ChatGPTとGeminiに同じプロンプトを使用して、生成された画像を比べます。与えるプロンプトは、以下のとおりです。
プロのデザイナーになりきってください。
以下の条件に基づいて、ブログに掲載する画像を作成してください。
条件
・場所:海岸
・時間帯:夕方
・空の状態:オレンジ色に染まっている
・海の状態:波が穏やか
・画像内の人の様子:女性が1人黄昏れている
・縦:横=1:2


ChatGPTは、オレンジの空や黄昏れている女性の様子など、プロンプトの指示通りの画像になっています。
一方でGenemiの場合、夕方ではなく夜に近い時間帯の写真が生成されています。さらに、プロンプトで指示した女性が画像に写っていません。
Geminiも高品質な画像を生成してくれましたが、プロンプトに忠実な画像を生成してくれたのはChatGPTと言えます。
3.プログラミングコードの生成
続いて、GeminiとChatGPTのプログラムのコード生成の比較をします。今回は出力されたコードを、実際にプレビューした画面で比較していきます。プロンプトは以下のとおりです。
これから自分のポートフォリオを紹介するWebページを、HTMLとCSSを用いて作成します。
以下の要素を盛り込んだコードを作成してください。
必要な要素
- ヘッダー
- 自己紹介セクション
- スキル一覧
- 保有資格
- これまでのポートフォリオ
- お問い合わせフォーム
- フッター




どちらもモノトーンでシンプルなデザインのポートフォリオサイトを生成しています。
スキル一覧の項目を見た際に、Geminiは箇条書きで書かれています。また、見出しの下に境界線が入っているので、本文との境目が一目でわかりやすいです。
一方のChatGPTでは横並びに書かれているので、人によっては読みづらいと感じる可能性があります。境界線や枠線などで区切られていないこともあり、全体的にまとまりのない印象を受けます。
今回の検証では、コード生成機能についてはGeminiのほうが高いと言えるでしょう。
4.画像認識機能
次に画像認識機能の比較を行います。今回は、プレゼンテーションを行っているような写真を添付し、映っている人は何をしているのかを調べてもらいます。


どちらもプレゼンテーションを行っている様子であることを認識しています。なお、ChatGPTは、写真の正面にあるスライドの文字まで認識していました。テーブル上にあるメモ帳についても、ChatGPTのみ認識しています。
今回の検証では、ChatGPTのほうが画像認識機能は高いと言えます。
5.検索機能
最後は、リサーチ機能の比較を行います。以下のプロンプトでDeepResearchを行い、それぞれの結果を確認します。
現在一般のユーザーが使えるAIチャットサービスについて、それぞれの機能、特徴、利用料金などを調べて分かりやすくまとめてください。
また、特にChatGPTとGeminiについて知りたいです。無料プランと有料プラン両方調べてください。






Geminiでは、参考にした情報源が81件あり、公式サイトからYouTubeまで幅広くリサーチしています。ChatGPTでは参考にした情報源は16件だったので、約5倍のソースを参考にしていることがわかります。
また、Geminiでは情報源のURLは文中の「↓」ボタンを押すまで隠せるので、全体的に見やすいです。ChatGPTの場合、文中に情報源のURLが表示されているため、読みづらさを感じます。
DeepResearch機能では、情報源の多さや全体的な見やすさやからGeminiのほうが性能は高いと言えるでしょう。さらにGeminiの場合、無料でDeepResearch機能を使えることも大きなメリットです。
ChatGPTとGeminiは無料版・有料版どちらがおすすめ?

有料版だと結果は変わるのか、気になる人もいるでしょう。ここでは、同じプロンプトをChatGPTとGeminiの無料版と有料版にそれぞれ与えて、違いを見ていきます。
今回は、プログラミングコードの出力結果で比較を行います。有料版を検討されている人は、ぜひここで検証する結果を参考にしてみてください。
ChatGPT(4o/4.1)
まずは、ChatGPTの無料版(4o)と有料版(4.1)にそれぞれ同じプロンプトを読み込ませて比較を行います。無料版の結果は、以下のとおりです。




有料版は色付けされているため、全体的なデザイン性や視認性が高いです。また、ポートフォリオにはスキルや実績が具体的に書かれていているため、行ってきた業務やできることがわかりやすいです。さらに、ヘッダーはCSSで中央揃えになっているため、インパクトのあるデザインになっています。
Gemini(2.5Flash/2.5Pro)
Geminiでも同様にプロンプトを読み込ませて、比較を行います。無料版の結果は以下のとおりです。


続いて、有料版のGemini2.5 Proでの結果は以下のとおりでした。



Geminiでも、有料版のほうが圧倒的にクオリティが高いことがわかります。特に、スキル一覧の部分では4分割のカード形式で整理されていています。
言語だけではなく、フレームワークやツールなど細かく分けられているので、習得しているスキルがとてもわかりやすいです。画像の挿入位置を指定してくれているため、サイトのレイアウトを考える時間を短縮できます。
ChatGPTがおすすめの人

ここでは、GeminiよりもChatGPTをおすすめできる人の特徴を3つ紹介します。
- GPTsを活用したい人
- 画像認識機能や画像作成を多用する人
- AIで文章生成をしたい人
ここで紹介する用途でAIを活用する人は、ChatGPTをぜひ活用してください。
1.GPTsを活用したい人
オリジナル仕様にして生成AIツールを利用したい方は、GPTsが使えるChatGPTがおすすめです。GPTsとは、ChatGPTをカスタマイズすることでオリジナルのチャットボットを作れる機能です。
専門的なプログラミングスキルや知識を持っていなくとも、テキストを入力するだけでAIチャットボットを開発ができます。外部サービスとの連携ができるため、ChatGPTの利便性を大幅に向上させられます。
例えば、Googleカレンダーと連携するとスケジュールを自動更新し、リマインダーを設定できるGPTsの作成が可能です。生成AIをカスタマイズして柔軟な使い方をしたい人には、GeminiではなくChatGPTを利用しましょう。
2.画像認識機能や画像作成を多用する人
写真の情報を特定したい場合や、画像内の文章の読み取る機会が多い場合も、ChatGPTがおすすめです。
画像認識はGeminiでも対応しているものの、ChatGPTのほうが細かく画像解析を行ってくれます。本記事内の画像認識機能の比較でも、ChatGPTのほうがGeminiよりも細かい部分まで確認してくれました。
また、ChatGPTでは画像作成の面でも優れており、以下のようにプロンプトを入れることでプロのイラストレーターが描いたようなイラストを生成してくれます。

画像認識機能や画像作成など、画像に関して生成AIツールを使う人は、ChatGPTのほうがストレスは少ないかもしれません。
3.AIで文章生成をしたい人
社内資料作成やメール本文の作成など、AIで文章生成を行いたい人はChatGPTのほうがおすすめです。
ビジネスやプライベートなどのシーンで使う文章を、生成AIに出力してもらいたいと考える人もおられるでしょう。生成AIの文章表現は、機械的で見慣れないような単語が使われていることがあります。
ChatGPTは長文には向きませんが、相手への心情や感情に配慮してくれて実用性のある文章を生成してくれることが多いです。
本記事内の比較でも、ChatGPTのほうが簡潔で読みやすい文章を生成してくました。社内資料やメール本文の作成など、文章生成にAIの活用を考えているという人にはChatGPTがおすすめです。
なお、ブログ記事のように長文をAIで生成したい場合には、Geminiのほうが使い勝手がよいでしょう。
Geminiがおすすめの人

ここでは、ChatGPTよりもGeminiのほうがおすすめできる人の特徴を3つ紹介します。
- Googleのサービスと連携しながらAIを活用したい人
- 情報収集や事実確認を効率的に行いたい人
- 長い文章の要約や分析にAIを活用したい人
ひとつずつ見ていきましょう。
1.Googleのサービスと連携しながらAIを活用したい人
Geminiは、Googleが提供するサービスと連携して使えます。
Geminiには拡張機能が搭載されており、Googleの各種サービスとの連携が可能です。Geminiの拡張機能を活用すれば、生成AIと併用してGoogleの各種サービスの機能を利用できます。
例えば、Geminiの画面上にGmailのメールに書かれた予定を表示させられます。他にも、Googleマップで周辺の飲食店情報から、評価が高い飲食店のみに絞り込みが可能です。
Googleのサービスと生成AIを組み合わせて使いたいという方に、Genemiはおすすめです。
2.情報収集や事実確認を効率的に行いたい人
情報収集やファクトチェックにAIを活用する場合は、Geminiがおすすめです。
Geminiが生成した回答の末尾にある三点リーダーの中に「回答を再確認」という項目が存在します。クリックするとダブルチェック機能が起動し、GeminiはGoogle検索を使って回答内容を検証してくれます。

ダブルチェック機能を使うことで、視覚的に再確認が必要な部分の判断が可能です。緑色のハイライトは信頼できる情報を示し、オレンジ色のハイライトは矛盾がある可能性を示します。
AIから生成された文章はすべてが正しいとは限らないので、事実確認が必要です。事実確認を効率よく行うためにも、ダブルチェック機能が搭載されているGeminiがおすすめと言えるでしょう。
3.長い文章の要約や分析にAIを活用したい人
GeminiはChatGPTよりもコンテキストウィンドウが大きいので、一度に多くの情報を処理できます。
コンテキストウィンドウとは、モデルが一度に処理できるトークン数のことを指します。GPT-4oでは、コンテキストウィンドウが12万8千程度です。一方のGenemiでは、最大200万トークンのコンテキストウィンドウを持つバージョンがあるため、ChatGPTよりも長いテキストを処理できます。
コンテキストウィンドウが大きいことで、ChatGPTよりも長い文章を読み込ませられます。
長文をAIに読み込ませて、概ねの内容を知ることや要約に使う人もいるかもしれません。大容量の情報量をAIに読み込むことがある人は、コンテキストウィンドウが大きいGeminiのほうが使い勝手がよいでしょう。
ChatGPTとGeminiを用途に合わせて使い分けよう

ChatGPTとGeminiは、それぞれ強みが異なる生成AIツールです。利用目的や用途に応じて、AIを使い分けることが大切です。
なお、AI技術の進化は早いので、数週間後にはChatGPTとGeminiの得意分野は変わっていることも考えられます。AI技術の変化についていけそうにない時は、周りの人の活用事例を聞いて、最適解を見つけることが大切です。
初心者から上級者まで幅広くの生徒が集うAIスクールの「AI ONE」では毎日多くの活用事例がシェアされています。ChatGPTやGeminiの活用例も紹介されているため、その時々でベストな使い方を知る手がかりになるでしょう。
「ChatGPTとGeminiの最適な使い方を知りたい」とお考えの人は、ぜひAI ONEの受講をご検討ください。
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