「パワポの資料作成は考えることが多いから大変…」
「資料作成に時間がかかるから、ChatGPTを使って効率化したい!」
「ChatGPTを使えばいいと思うけど、具体的にどう指示を出せばいいの?」
資料作成で時間がかかるために、業務に支障が出ている人もいるのではないでしょうか。
パワーポイントの資料作成は、テキストだけではなくデザインまで考える必要があるため、慣れていなければ時間がかかるものです。決められた納期に間に合わせるために、残業を余儀なくされている人も多いでしょう。
しかし、資料作成にChatGPTを活用することで、時間を大幅に短縮できます。しかし、具体的な作成方法やChatGPTへの指示の出し方がわからなければ、作成するのは難しいです。
そこで本記事では、ChatGPTでパワポ資料を作成するにあたり、以下の内容を解説します。
- ChatGPTを活用してパワーポイント資料を作成する方法
- ChatGPTでパワーポイントの資料を作成するメリット
- 資料を作成する際に使えるプロンプト
ChatGPTに出す具体的なプロンプトも紹介しています。パワーポイントの資料作成する際の手間やストレスなどでお悩みの人は、ぜひ最後までお読みください。
-1024x645.png)
ChatGPTを活用してパワーポイント資料を作成する方法4選

まずは、ChatGPTを活用してパワーポイントの資料を作成する方法を無料版と有料版の両方から4つ紹介します。
- 【無料】パワポのVBAマクロを作成して反映する
- 【無料】アドインの使用
- 【無料】GPTsを利用する
- 【有料】Advanced Data Analysisの使用
パワーポイントの資料作成を効率化するために、ぜひ参考にしてください。
1.【無料】パワポのVBAマクロを作成して反映する
VBAマクロを生成して反映させる形で、パワポ資料を作成する方法があります。
VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Office製品の操作を自動化するためのプログラミング言語です。Excelでの自動化処理によく使われますが、パワーポイントの資料作成にも活用できます。
ChatGPTにマクロ作成を依頼する際は、イメージや設定についてできるだけ具体的に伝えることが重要です。例えば「合計で10枚のスライドでまとめてください」や「高校生でもわかる内容で生成してください」といったイメージです。
指示に基づいて生成されたVBAマクロのコードをパワーポイントに反映させることで、スライド資料の基本的な枠組みが完成します。
2.【無料】アドインの使用
アドインをインストールすることで、パワーポイントのスライド作成がより手軽に行えます。
アドインとは、ソフトウェアの機能を拡張する補助プログラムのことです。パワーポイントにChatGPTの機能を直接統合できるアドインを導入すれば、資料作成をサポートするツールとして活用できます。
ChatGPTのアドインを使うことで、スライド作成から内容の改善まで、さまざまな作業を効率化できます。なお、アドインの種類によっては無料で使える範囲が限られていることがあるため、事前に利用条件を確認しましょう。
3.【無料】GPTsを利用する
GPTsを活用して作成することも、ひとつの方法です。GPTsとは、ChatGPTをカスタマイズしてオリジナルAIチャットボットを作れる機能です。プログラミング不要で「こんなことをしてほしい」と伝えるだけで作成できます。
パワーポイントの資料の作成を手助けしてくれるチャットボットも存在し、公開されているGPTsは自由に使えます。パワーポイントの作成に利用できるGPTsの一例は、以下のとおりです。
- SlideMaker
- Smart Slides
- SlidesGPT
GPTsによって、生成できるスライドの特徴は異なります。使用したいGPTsの特徴を事前にリサーチしておき、自分のイメージに合ったスライドを作れるものを選びましょう。
ただし、GPTsは利用するだけであれば無料版でも問題ないものの、自身での作成となると有料版にする必要があります。自身でチャットボットを作成する段階から利用したい場合は、有料版にアップグレードしましょう。
3.【有料】Advanced Data Analysisの使用
Advanced Data Analysisは、ChatGPTを有料版にアップグレードすることで利用できる機能です。
Pythonというプログラミング言語を実行できる機能で、pptx形式の資料を出力できるため、VBAマクロを経由する方法よりも手軽です。テキストだけではなく、データをグラフ化したものやサイトへのリンクを含むQRコードなどを含んだ資料も、生成できます。
Advanced Data Analysisに大量のデータを読み込ませれば、結果を折れ線グラフで表示させる、といったことが可能です。プレゼンで統計データを発表や効果の提示などを行う際、ゼロベースからの資料作成よりも効率よく進められるでしょう。
ChatGPTでパワーポイントの資料を作成するメリット

ChatGPTを活用してパワーポイントの資料を作成するメリットは、主に3つあります。
- 作業時間の効率化
⇒骨子の検討から内容の作成まで多くのタスクを行ってくれ - アイデア山車の参考になる
⇒多様な切り口や視点からアイデアを提案してもらえるため、自分では思いつかないような発想を得られる可能性がある - 資料のフォーマットに一貫性を持たせられる
⇒デザインや表現にまとまりができる
作業時間を短縮できるため、他業務に手を回せるようになり事業全体の生産性向上につなげられます。また、資料のクオリティ向上も期待できるため、今まで以上の成果が見込めることもあるかもしれません。
最初のうちはプロンプトなどで手間がかかることもあるでしょうが、慣れれば短時間かつ良い資料を作成できる可能性があります。ぜひ、ChatGPTを取り入れて資料を作成してみましょう。
ChatGPTでパワーポイントの資料を作成する際に使えるプロンプト3選

パワポの資料作成にChatGPTを使えば時間短縮できるものの、プロンプトを理解したほうが実現しやすくなります。ここでは、ChatGPTでパワーポイントの資料を作成する際に使えるプロンプトを3つ紹介します。
- 構成作成のプロンプト
- 商品やサービス紹介用のプロンプト
- 資料作成用プロンプト
コピーしてそのまま使えるプロンプトを紹介しているので、ぜひ活用してみてください。
1. 構成作成のプロンプト
パワーポイント全体の構成作成のプロンプトの一例は、以下のとおりです。
パワポ資料作成のプロフェッショナルになりきってください。
以下の#プレゼン内容 に沿ってスライドの構成案を考え、#出力形式 に従って出力を行ってください
#プレゼン内容
目的:{自由記述}
ターゲット:{自由記述}
スライド枚数:{数字}枚
時間制限:{自由記述}
#出力形式
<1枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
<2枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
<3枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
[#プレゼン内容 に応じて必要な枚数分だけ構成案を書く。]
資料作成の目的やターゲットなどできる限り細かく詳細を記載することで、イメージギャップを減らせます。目的やターゲットが鮮明であれば、より的確な構成案を得られるでしょう。
2. 商品やサービス紹介用のプロンプト
商品やサービス紹介用のプロンプトの例は、以下のとおりです。
パワポ資料作成のプロフェッショナルになりきってください。
以下の#プレゼン内容 に沿ってスライドの構成案を考え、#出力形式 に従って出力を行ってください
#プレゼン内容
目的:{自由記述}
ターゲット:{自由記述}
競合他社との差別化ポイント:{自由記述}
スライド枚数:{数字}枚
時間制限:{自由記述}
#出力形式
<1枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
<2枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
<3枚目>
[具体的な記載内容を記入。可能な限り分かりやすく説明する]
[#プレゼン内容 に応じて必要な枚数分だけ構成案を書く。]
商品やサービス紹介では「どんなメリットがあるのか」を明確に示しましょう。差別化のポイントを図れる要素の一例は、以下のとおりです。
- 料金が安い
- サービス内容が充実している
- 高い品質が担保されている
競合分析から得られた独自性をプロンプトに反映させることで、製品の魅力を明確に伝える内容を生成してくれるでしょう。
3. 資料作成用プロンプト
社内会議での報告研修資料などで使うパワーポイントの作成を簡略化できます。プロンプトの例は、以下のとおりです。
以下の条件でパワーポイントの資料を作成してください:
メインテーマ:[具体的なテーマ]
プレゼンをする人:{ここに記述}
プレゼンをする相手:{ここに記述}
目的:[達成したい目標]
スライド数:[希望するスライド数]
含めたい要素:
-キーメッセージ
-データや統計
-活動内容
-具体例や事例
-まとめや今後の行動指針
ChatGPTに骨子やテキストを生成してもらうことで、資料作成にかかる労力を大幅に削減できます。削減できた工数で、資料をよりよくするための確認や調整などを行う時間に充てられます。
【実例】ChatGPTでVBAを使用したパワーポイントの資料を作成する4ステップ

ChatGPTで資料作成をする代表的な方法のひとつが、VBAの使用です。無料で作成できるため、ChatGPTを扱った経験がない人にもおすすめです。
VBAを使用したパワーポイントの資料を作成する手順は、以下の4ステップです。
- スライドの構成を考える
- 構成に沿ってVBAマクロのコードを生成してもらう
- パワポのマクロに反映させる
- スライドのデザインを調整する
画像を用いて、わかりやすく解説します。
1. スライドの構成を考える
まずは、作成したいスライドの構成を考えます。
構成を考える際には、聞き手の知識レベルを考慮することが重要です。例えば、専門的な内容の場合には、理解を助けるための補足説明をするパートが必要になるかもしれません。
なお、構成の全体像がまだ明確に定まっていない場合は、ChatGPTに構成案のたたき台を出してもらいましょう。必要な情報や伝えたい内容を指示することで、プレゼンテーションの目的に沿った構成案を短時間で生成してくれます。


デザインやレイアウトが見やすくても、伝える内容や順番がおかしいと意味がありません。資料全体の目的や方向性を固めるためにも、最初に構成を考えることが重要です。
2. 構成に沿ってVBAマクロのコードを生成してもらう
構成案を考えた後は、パワーポイントに読み込ませるためのVBAマクロコードをChatGPTに作ってもらいましょう。
イメージ通りのスライドが生成するためには、各スライドのタイトルや図表の位置などをChatGPTに具体的に指示することが重要です。
例えば「タイトルはフォントサイズ54ptで太字にしてください」や「本文テキストの行間は1.5にしてください」などです。

ChatGPTに構成案を読み込ませると、スライド作成の自動化に対応するVBAコードが生成されます。指示が詳細であるほど、イメージに近いスライドのコードが生成される可能性が高まります。
3. パワポのマクロに反映させる
VBAコードが生成されたら、パワーポイントに反映させましょう。パワーポイントにVBAマクロコードを反映させると、記述された指示に従ってスライドが自動で作成されます。
手順は次のとおりです。



もしエラーが発生して処理が行われない場合には、ChatGPTにコードの修正を依頼しましょう。簡単なエラーであれば自力で修正を行い、再度マクロを実行した後に期待通りの結果が得られるか確認してみてください。
4. スライドのデザインを調整する
VBAマクロを反映してスライドが作成されたら、デザインの最終調整を行いましょう。
生成AIで作成されたパワーポイントの資料が、完全にイメージ通りにできるとは限りません。デザインの細かな部分や図形の微調整などは、現時点のAIでは対応しきれない場合があります。
例えば、会社資料を作る場合だと、社内のフォーマットに沿ったデザインにするために、色やフォントの微調整が必要になるでしょう。
しかし、将来的にはAIの出力精度がさらに向上する可能性があります。近い将来には修正を必要としないレベルに達する可能性もあるため、今のうちからAIを使いこなせるようになっておきましょう。
ChatGPTを用いてパワーポイント資料を作る際の注意点4つ

ChatGPTを用いてパワーポイント資料を作る際の注意点は、以下の4つです。
- 機密情報を入力しない
- 情報の精度に注意する
- デザインの微調整は難しい
- 著作権の取扱いに注意する
ひとつずつ押さえておき見ていきましょう。
1.機密情報を入力しない
ChatGPTを利用する際には、外部に情報が流出してしまうリスクがあることを認識しておきましょう。
ChatGPTに入力した情報は、学習データとして保存されて情報漏洩につながる可能性があります。とくに、企業の内部情報や顧客の個人情報などは入力するのを避けましょう。
社内で使われる非公開情報を含む資料をChatGPTで作る場合、ダミーデータに置き変えて入力する方法があります。本物のデータを使わずに架空の情報に置き換えることで、安心してChatGPTを使えます。
なお、ChatGPTでは、入力したデータをモデル学習に使用されないようにする「一時チャット」の機能が存在します。学習データに反映させたくない内容を含む場合には、一時チャットを活用しましょう。
2. 情報の精度に注意する
ChatGPTは大量のデータを学習して幅広い領域の知識を持っているものの、出力される情報が常に正しいとは限りません。
ChatGPTは特定の時点までのデータを元に学習しているため、最新情報には対応できない場合があります。また、学習データが正しくてもAIの解釈に相違があると、誤った情報が出力されることはよくある話です。
とくに、医療や法律などの専門性が求められる分野では、公的なデータや信頼性のある情報源を参照し、内容の精査が不可欠です。
ChatGPTが出力した内容は誤った情報が含まれている可能性があるため、必ず人の目でファクトチェックを行ったうえで作成しましょう。
3. デザインの微調整は難しい
資料の内容の雰囲気に合わせるようなスライドデザインの微調整は、人間が行う必要があります。スライドのテキスト配置やサイズなど、全体のレイアウトはChatGPTでも作成できるものの、デザインの微調整は現時点では難しいです。
例えば、独自のブランディングに合わせた配色やフォントサイズ変更などは、手動で調整する必要があります。ChatGPTの出力結果をベースに、配色や配置などスライド全体の見栄えを整える作業が重要です。
デザインの調整に関しては、最終的に人の手で修正が必要になることを認識しておきましょう。
4. 著作権の取扱いに注意する
ChatGPTの出力結果には、著作権のある素材が含まれていることがあります。既存の著作物との類似性や依拠性が高いと認められた場合、著作権侵害につながりかねません。
著作権侵害に該当すると刑事罰の対象となり、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、あるいはその両方が科せられることがあります。ChatGPTが作成したコンテンツを使用する際には、既存の著作物に似ていないかどうか、可能な範囲で確認しましょう。
著作権の問題が発生する可能性がある画像や文章などについては、権利関係を慎重に確認する必要があります。
ChatGPTならパワーポイントの資料を効率よく作成できる!

ChatGPTを活用することで、資料作成にかかる時間を大幅に短縮し、業務効率を向上させられます。ChatGPTを利用して理想に近い仕上がりにするためには、資料の目的やターゲットなどを詳細に伝えることが重要です。
工数を削減できれば、資料の完成度を高めることに時間を使えます。また、作業時間を短縮するだけでなくアイデア出しや資料のフォーマット統一にも役立つため、あらゆる場面で活躍します。
しかし、デザインの微調整は人の手で行う必要があるため、ChatGPTはあくまでも補助ツールとして活用しましょう。
なお、AIを上手に使いこなすために最も重要なことは、多くの人の活用事例を知ることです。ChatGPTで作ったパワーポイントや、うまくいったプロンプトの内容などを、家族や職場の人たちと共有してみましょう。
多くの事例を知ることで、使い方を改善するヒントや新しいアイデアが得られるはずです。オンラインスクールのAI ONEでは、毎日共有される活用事例を参考に、多くの人が新たな使い方を学んでいます。
-1024x645.png)